十八歳未満の方、邦楽ロックバンド・エレファントカシマシ、
洋楽ロックバンド・クイーンが神聖な存在、汚してはならない
存在とお考えの方、ナマモノやおいが嫌いな方、先に
記載した該当ミュージシャン関係者の方はこちらへどうぞ。
当ブログに掲載されている小説や投稿イラストはナマモノやおいであり、
性的描写が顕著である為、十八歳未満の閲覧禁止です。
掲載されている小説や投稿イラストの設定は、管理人(腐女子)の妄想が
基盤のフィクションであり、実在の人物・団体等とは一切関係ございません。
また大半の小説は、私が過去に開設していたサイトに掲載していたので、
殆どの小説は再掲載の形になりますが、新作も執筆しています。
時期が来たら正式に掲載しますので、暫くお待ち下さい。
また新作も、必然的に時間差が発生してしまいますが、
それはそれで生温く楽しんで頂ければ、と存じます。
当ブログの閲覧は自己責任でお願い致します。
各作品や管理人への苦情・抗議・批判・批評等は一切受け付けておりません。
「改行や文字の隙間で、文章が読みにくい」という皆様、
私の使用しているパソコンのOS及びブラウザが表示基準になって
いますので、各自ブラウザの設定変更をよろしくお願い致します。
メール:slaveheaven♀gmail.com
洋楽ロックバンド・クイーンが神聖な存在、汚してはならない
存在とお考えの方、ナマモノやおいが嫌いな方、先に
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性的描写が顕著である為、十八歳未満の閲覧禁止です。
掲載されている小説や投稿イラストの設定は、管理人(腐女子)の妄想が
基盤のフィクションであり、実在の人物・団体等とは一切関係ございません。
また大半の小説は、私が過去に開設していたサイトに掲載していたので、
殆どの小説は再掲載の形になりますが、新作も執筆しています。
時期が来たら正式に掲載しますので、暫くお待ち下さい。
また新作も、必然的に時間差が発生してしまいますが、
それはそれで生温く楽しんで頂ければ、と存じます。
当ブログの閲覧は自己責任でお願い致します。
各作品や管理人への苦情・抗議・批判・批評等は一切受け付けておりません。
「改行や文字の隙間で、文章が読みにくい」という皆様、
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いますので、各自ブラウザの設定変更をよろしくお願い致します。
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バーグのスタミナカレー(玉子焼き入り)
豚バラ肉がこれでもか、と投入されているのと、卵が乗っているのは
(生卵もある)、あの伝説のすた丼屋と同じである。どっちも好きな男飯だ。

伝説のすた丼屋のすた丼
今回のエレカシのコンサートツアー、全公演がライブハウスである為、
迷わず不参加を決めた。前にも記したが、立見の体力低下とドリンク代を
含めると、ホールツアーより僅かながら高値なのだ。グッズもパンフレットが
あれば購入しているが、その他は懐具合がいっぱいいっぱいで、手を出さないであろう。
シングルやアルバムは変わらず購入しているが、映像を見ると
かなり気力を使うし、ほぼ鑑賞する事がないのに押し入れの片隅で
肥やし化している事に耐えきれず、DVD作品は全て手放した。
音楽は基本レンタル、たまにiTunes Store、外付けハードディスクも購入し、
バックアップは万全である。レンタル先はDMM.comと楽天レンタルに落ち着いた。
DMM.comは商品が豊富。単品レンタルは割高だが、送料込みの
値段で新作も旧作も同じ料金であるし、月額プランなら、¥1,890で
月八枚レンタルが可能であるのと、個人情報に配慮した封筒の作り。
楽天レンタルは、一枚当たり¥50(時には¥39の時もある)と言う
桁違いの安さと、スポットレンタルが10泊11日と、日にちの余裕。
でも、思わずベスト盤を購入したバンドもいる、怒髪天だ。
生きる全ての者達へ捧げる、痛快なR&E(リズム&演歌)が心地好い。インディーズで
CDを発売していた事もあり、ベスト盤とレンタルされているアルバムを揃えた。
今後は四月、七月、十月、一月…と、季節を基準に更新していく。
お気付きの方もいらっしゃるであろうが、作品の在庫を出し惜しみしている。
腐れBBAの商売にならぬどうしようもない妄想を。生きにくい世ではあるが、
日本の片隅で細々と暮らしながら、自己満足の世界を刻み付けて行くつもりだ。
湿度が高く雨は降ったり止んだりを繰り返す、文月の初旬。
毎年恒例の野外ライブ二十周年を迎えるバンドは、デビューから
現在のレコード会社に至るまで在籍したレコード会社から、
ベスト盤と日本武道館ライブを収録したDVDを秋口に一斉発売、
野外ライブを二日連続…と、ファンの財布を泣かせる日常が続いていて、
バンドの‘総合司会’である浩次は、ベスト盤全ての選曲・監修をこなしていた。
そんな浩次であるが、時間に少し余裕があったから喫茶店で、音楽雑誌の
自称‘総編集長’を勤める、Y氏と不定期の定例お茶会を楽しんでいた。
「僕もそれなりに鍛えてるつもりなんだけど、宮本君の
腹筋は凄いよね、スポーツジムに行っていないのに…」
「石くんに教えてもらってるんですけど、胸の筋肉とのバランスが悪くて…」
「この位の歳になると、生活習慣病だとか、メタボリック症候群だとかで
慌てちゃうけど、宮本君も…メンバーも全然関係ないみたいだね」
コーヒーを一口啜ったY氏は、煙草に火を付け瞬きをした。
釣られて浩次もポケットから煙草を取り出した。
「まあ、俺も多少は気にしますけど、ライブ一本…対バン
でもフェスでも…をすると、体重が結構減りますから…」
「ミュージシャン冥利に尽きるダイエットだね」
浩次も煙草に火を付け、まったりと燻らせていると、携帯電話の
バイブレーターの音がして、Y氏がバッグから携帯電話を取り出した。
「ちょっと待ってて」
そう言ってY氏は、喫茶店の入口付近へ向かい、
何事か話し始め、浩次はそれを銜え煙草で見ていた。
すると、Y氏が駆け足で浩次のいる席へ戻り、両手を合わせて頭を下げた。
「宮本君、悪い…僕が注目している新人バンドが、本社に来てるって…。
せっかくの定例お茶会なのに済まない、お金は払っておくから…」
Y氏はポカンとした顔の浩次を尻目に、慌ただしくバッグを肩に掛け
「また今度ね」と言い残すと会計を済ませ、そのまま出て行ってしまった。
取り残された浩次は、Y氏の仕事柄を良く知っていたから、仕方がないとは
思いつつも、せっかくのお茶会を途中で放り出されてしまい、肩を落とした。
(Yさん…俺と俺達を今も可愛がってくれるのは嬉しいけど…。
そりゃ、あんただって編集長で編集員なのはわかってるけどさ…)
浩次は残りの煙草を燻らせながら、溜め息を付いた。
コーヒーの残りを飲もうとした時、ポケットに突っ込んで
あった携帯電話のバイブレーターが何回か鳴って止まった。
(メールかな?)
携帯電話を見ると‘新着メールあり’と表示されていたので、
ボタンを押すと、未読メールがあり、差出人は義之だった。
(トミか…珍しい)
浩次はコーヒーを飲みながら、メールを開いた。
『浩次へ 今日は家で留守番なんだけど、時間はある?
これからドライブしようとしてるんだ。一緒に行かない? トミ』
浩次は周りをグルリと見回して、なるべく目立たないように返信した。
『Yさんと定例お茶会してたんだけど、急に他のバンドの取材が
あるからって、俺一人取り残されたから、ドライブに付き合うよ。
例の喫茶店の入口にいる、全身黒だからすぐわかる 浩次』
コーヒーを飲み干し、店員に頭を軽く下げて浩次は外へ出た。
手にしていた携帯電話のバイブレーターが鳴り、メールの返信が届いた。
『浩次へ わかった、そこにいて。見付けたらクラクションを鳴らすよ トミ』
メールを確認した浩次は、人の流れを見詰めながら、義之の到着を待った。
喫茶店に出入りする人々に迷惑にならない様に壁に凭れ掛っていた
浩次の近くで、軽いクラクションが三回鳴り気付いた彼が駆け出すと、
車のサイドウィンドウが下がり、義之が優しい笑顔で手を軽く上げた。
「お待たせ、浩次」
車のドアを開け、座席に座り義之を見ると、白地に細い横縞の
半袖ポロシャツ、濃紺のGパン姿で、浩次はクスリと笑った。
「トミ、前も着てたかも知れないけどさ、そのポロシャツ‘おやじさん’だよー」
「フフ…カミさんが買った来てもらったから、着ないと申し訳ないじゃない?」
浩次は笑いながら後部座席を見ると、チャイルドシートが
装着されていて、勿論、そこに座るはずの子供はいなかった。
「奥さんと子供は?」
「行事かなんかわかんないけど、カミさんも子供もいないんだ…そろそろ行こう」
告げられた浩次がシートベルトを締めると、義之はハンドルを動かし始めた。
空は曇天模様で、落ちて来た細かな雨粒が車の
フロントガラスを濡らし、ワイパーが左右に動いていた。
「ありがたいよ、トミ。Yさんに置いてけぼりを
食らって、これからどうしようかって思ったんだもん」
「俺も…辛抱しようと思ったけど、虚しくて出来なかった」
黒いシャツに黒いズボン、黒いサイドゴアブーツ、いつもながら
喪服同然、ライブ衣装同然の浩次は安堵の表情を浮かべていた。
「高速に乗ろう」
「どこ行くの?」
「目的地なんかないけど…たまには、綺麗な空気を吸いたいね」
「ニコチンでベッタリの俺達の肺を少々安心させる…?」
「そんな感じ…あ、ガソリンがないから入れて行こう」
義之がガソリンスタンドを探し、辺りを見回していると、喫茶店が
併設されたセルフガソリンスタンドがあり、迷わず車を進めた。
給油場所に停車すると、義之は喫茶店を少々見て浩次に尋ねた。
「お腹空いてない?」
「そうだな…コーヒー一杯しか飲んでないから、軽く食べたい。
いつも行くチェーン店の喫茶店だから…ホットミルクティーの
Mサイズとサンドイッチ、さっきYさんに奢ってもらったから、
金は俺が払うよ、トミも何か好きなの買って来て」
浩次は黒い財布から千円札二枚を出して義之に手渡した。
「ありがとう、行って来る」
お金を受け取った義之は喫茶店へと向かい、少し待つと紙袋を片手に戻って来た。
「はい、サンドイッチは味が何種類かあったから、
適当に選んだ。じゃあ、ガソリンを入れるね」
「ありがとう」
手渡された紙袋を見ると、浩次の頼んだミルクティーのMサイズ、
サンドイッチはハムやソーセージ、レタス等が挟まった、ボリュームのある物で、
義之が買ったのは、ホットコーヒーのLサイズとホットドックだった。
飲み物を車のドリンクスタンドに置き、ミルクティーを一口し、
サンドイッチにかぶりつこうとしたが、義之の方に振り返った。
(石くんも成ちゃんも体を鍛えてるけど、細いんだよね…でも、
トミは体力を一番使うドラムだから、腕もガッシリしてて…。
なんか‘おやじさん’じゃないけど‘お父さん’なんだよな…)
最新オリジナルアルバムツアーの最後の打ち上げの日、T氏が写真を撮った時の
様子を思い出す。酔った義之が浩次の腕にしっかりと寄り添った事、
その腕がとても温もりに満ちていた事…アルコールのせいかも知れなかったが…。
(石くんは…俺にしてみれば「おかみさん」みたいな存在だけど、
トミは…‘お父さん’…成ちゃんは…うーん…やっぱり…)
浩次がサンドイッチに手を付けず、腕を組んだまま義之を見詰めていると、
給油口をトントンと叩く音がして、給油キャップを閉めた彼が戻って来た。
「食べないの?」
「…あ、ううん、食べるよ」
慌てて浩次がサンドイッチにかぶり付くと、義之は車の灰皿を引き出し、
事前精算のお釣りを取り、灰皿の吸い殻を捨てに行くと暫くして戻って来た。
「行こうか」
「うん」
給油を済ませた車を義之は動かし始めた傍ら、
浩次はサンドイッチをムシャムシャと食べ続けた。
口端からレタスがはみ出しているのはご愛嬌で。
高速道路の入口をETCで通過すると、義之はアクセルを踏み込んだ。
カーナビも装着されていたが、それに目向きをする事は殆どなかった。
「余りスピード出し過ぎちゃダメだよ、石くんみたいに免停になっちゃう」
「わかってる」
制限速度ギリギリまでスピードを出した車は、目的地もなく走り続ける。
「最近は、レンタカーで煙草が吸えない車があるって誰かに聞いたんだ。
あと石くんが言ってたんだけど、家じゃ子供と煙草を吸わない奥さんに気を遣って、
自分の部屋か、換気扇の下でしか煙草を吸わないって言ってた。トミもそう?」
「うん、俺も石くんと同じ。自分は良いけど、子供に将来吸わせたくないから…」
「家庭を持つのって本当に大変だ…成ちゃんはどうだろう?」
【続】
毎年恒例の野外ライブ二十周年を迎えるバンドは、デビューから
現在のレコード会社に至るまで在籍したレコード会社から、
ベスト盤と日本武道館ライブを収録したDVDを秋口に一斉発売、
野外ライブを二日連続…と、ファンの財布を泣かせる日常が続いていて、
バンドの‘総合司会’である浩次は、ベスト盤全ての選曲・監修をこなしていた。
そんな浩次であるが、時間に少し余裕があったから喫茶店で、音楽雑誌の
自称‘総編集長’を勤める、Y氏と不定期の定例お茶会を楽しんでいた。
「僕もそれなりに鍛えてるつもりなんだけど、宮本君の
腹筋は凄いよね、スポーツジムに行っていないのに…」
「石くんに教えてもらってるんですけど、胸の筋肉とのバランスが悪くて…」
「この位の歳になると、生活習慣病だとか、メタボリック症候群だとかで
慌てちゃうけど、宮本君も…メンバーも全然関係ないみたいだね」
コーヒーを一口啜ったY氏は、煙草に火を付け瞬きをした。
釣られて浩次もポケットから煙草を取り出した。
「まあ、俺も多少は気にしますけど、ライブ一本…対バン
でもフェスでも…をすると、体重が結構減りますから…」
「ミュージシャン冥利に尽きるダイエットだね」
浩次も煙草に火を付け、まったりと燻らせていると、携帯電話の
バイブレーターの音がして、Y氏がバッグから携帯電話を取り出した。
「ちょっと待ってて」
そう言ってY氏は、喫茶店の入口付近へ向かい、
何事か話し始め、浩次はそれを銜え煙草で見ていた。
すると、Y氏が駆け足で浩次のいる席へ戻り、両手を合わせて頭を下げた。
「宮本君、悪い…僕が注目している新人バンドが、本社に来てるって…。
せっかくの定例お茶会なのに済まない、お金は払っておくから…」
Y氏はポカンとした顔の浩次を尻目に、慌ただしくバッグを肩に掛け
「また今度ね」と言い残すと会計を済ませ、そのまま出て行ってしまった。
取り残された浩次は、Y氏の仕事柄を良く知っていたから、仕方がないとは
思いつつも、せっかくのお茶会を途中で放り出されてしまい、肩を落とした。
(Yさん…俺と俺達を今も可愛がってくれるのは嬉しいけど…。
そりゃ、あんただって編集長で編集員なのはわかってるけどさ…)
浩次は残りの煙草を燻らせながら、溜め息を付いた。
コーヒーの残りを飲もうとした時、ポケットに突っ込んで
あった携帯電話のバイブレーターが何回か鳴って止まった。
(メールかな?)
携帯電話を見ると‘新着メールあり’と表示されていたので、
ボタンを押すと、未読メールがあり、差出人は義之だった。
(トミか…珍しい)
浩次はコーヒーを飲みながら、メールを開いた。
『浩次へ 今日は家で留守番なんだけど、時間はある?
これからドライブしようとしてるんだ。一緒に行かない? トミ』
浩次は周りをグルリと見回して、なるべく目立たないように返信した。
『Yさんと定例お茶会してたんだけど、急に他のバンドの取材が
あるからって、俺一人取り残されたから、ドライブに付き合うよ。
例の喫茶店の入口にいる、全身黒だからすぐわかる 浩次』
コーヒーを飲み干し、店員に頭を軽く下げて浩次は外へ出た。
手にしていた携帯電話のバイブレーターが鳴り、メールの返信が届いた。
『浩次へ わかった、そこにいて。見付けたらクラクションを鳴らすよ トミ』
メールを確認した浩次は、人の流れを見詰めながら、義之の到着を待った。
喫茶店に出入りする人々に迷惑にならない様に壁に凭れ掛っていた
浩次の近くで、軽いクラクションが三回鳴り気付いた彼が駆け出すと、
車のサイドウィンドウが下がり、義之が優しい笑顔で手を軽く上げた。
「お待たせ、浩次」
車のドアを開け、座席に座り義之を見ると、白地に細い横縞の
半袖ポロシャツ、濃紺のGパン姿で、浩次はクスリと笑った。
「トミ、前も着てたかも知れないけどさ、そのポロシャツ‘おやじさん’だよー」
「フフ…カミさんが買った来てもらったから、着ないと申し訳ないじゃない?」
浩次は笑いながら後部座席を見ると、チャイルドシートが
装着されていて、勿論、そこに座るはずの子供はいなかった。
「奥さんと子供は?」
「行事かなんかわかんないけど、カミさんも子供もいないんだ…そろそろ行こう」
告げられた浩次がシートベルトを締めると、義之はハンドルを動かし始めた。
空は曇天模様で、落ちて来た細かな雨粒が車の
フロントガラスを濡らし、ワイパーが左右に動いていた。
「ありがたいよ、トミ。Yさんに置いてけぼりを
食らって、これからどうしようかって思ったんだもん」
「俺も…辛抱しようと思ったけど、虚しくて出来なかった」
黒いシャツに黒いズボン、黒いサイドゴアブーツ、いつもながら
喪服同然、ライブ衣装同然の浩次は安堵の表情を浮かべていた。
「高速に乗ろう」
「どこ行くの?」
「目的地なんかないけど…たまには、綺麗な空気を吸いたいね」
「ニコチンでベッタリの俺達の肺を少々安心させる…?」
「そんな感じ…あ、ガソリンがないから入れて行こう」
義之がガソリンスタンドを探し、辺りを見回していると、喫茶店が
併設されたセルフガソリンスタンドがあり、迷わず車を進めた。
給油場所に停車すると、義之は喫茶店を少々見て浩次に尋ねた。
「お腹空いてない?」
「そうだな…コーヒー一杯しか飲んでないから、軽く食べたい。
いつも行くチェーン店の喫茶店だから…ホットミルクティーの
Mサイズとサンドイッチ、さっきYさんに奢ってもらったから、
金は俺が払うよ、トミも何か好きなの買って来て」
浩次は黒い財布から千円札二枚を出して義之に手渡した。
「ありがとう、行って来る」
お金を受け取った義之は喫茶店へと向かい、少し待つと紙袋を片手に戻って来た。
「はい、サンドイッチは味が何種類かあったから、
適当に選んだ。じゃあ、ガソリンを入れるね」
「ありがとう」
手渡された紙袋を見ると、浩次の頼んだミルクティーのMサイズ、
サンドイッチはハムやソーセージ、レタス等が挟まった、ボリュームのある物で、
義之が買ったのは、ホットコーヒーのLサイズとホットドックだった。
飲み物を車のドリンクスタンドに置き、ミルクティーを一口し、
サンドイッチにかぶりつこうとしたが、義之の方に振り返った。
(石くんも成ちゃんも体を鍛えてるけど、細いんだよね…でも、
トミは体力を一番使うドラムだから、腕もガッシリしてて…。
なんか‘おやじさん’じゃないけど‘お父さん’なんだよな…)
最新オリジナルアルバムツアーの最後の打ち上げの日、T氏が写真を撮った時の
様子を思い出す。酔った義之が浩次の腕にしっかりと寄り添った事、
その腕がとても温もりに満ちていた事…アルコールのせいかも知れなかったが…。
(石くんは…俺にしてみれば「おかみさん」みたいな存在だけど、
トミは…‘お父さん’…成ちゃんは…うーん…やっぱり…)
浩次がサンドイッチに手を付けず、腕を組んだまま義之を見詰めていると、
給油口をトントンと叩く音がして、給油キャップを閉めた彼が戻って来た。
「食べないの?」
「…あ、ううん、食べるよ」
慌てて浩次がサンドイッチにかぶり付くと、義之は車の灰皿を引き出し、
事前精算のお釣りを取り、灰皿の吸い殻を捨てに行くと暫くして戻って来た。
「行こうか」
「うん」
給油を済ませた車を義之は動かし始めた傍ら、
浩次はサンドイッチをムシャムシャと食べ続けた。
口端からレタスがはみ出しているのはご愛嬌で。
高速道路の入口をETCで通過すると、義之はアクセルを踏み込んだ。
カーナビも装着されていたが、それに目向きをする事は殆どなかった。
「余りスピード出し過ぎちゃダメだよ、石くんみたいに免停になっちゃう」
「わかってる」
制限速度ギリギリまでスピードを出した車は、目的地もなく走り続ける。
「最近は、レンタカーで煙草が吸えない車があるって誰かに聞いたんだ。
あと石くんが言ってたんだけど、家じゃ子供と煙草を吸わない奥さんに気を遣って、
自分の部屋か、換気扇の下でしか煙草を吸わないって言ってた。トミもそう?」
「うん、俺も石くんと同じ。自分は良いけど、子供に将来吸わせたくないから…」
「家庭を持つのって本当に大変だ…成ちゃんはどうだろう?」
【続】

一品香の五目うまにそばと焼き餃子
正月は日曜日と重なった為、相方と私の地元の神社で初詣、やや強い地震。
しかし元旦は私が体調を崩して、寝て過ごすが、翌日回復。初風呂はとあるスーパー銭湯へ。
体を洗おうとした所のシャワーは壊れ掛け、日本酒風呂に入りたかったが、人が多過ぎて
足を踏み入れる事すら出来なかった。めげずにドライブとウインドウショッピング。
トレジャーファクトリーに並んでいた多種多様な帽子の中から、
ニットの帽子を二百円で購入。時節柄、頭部が暖かくて良い。食事は正月らしい
(母が作ったのを手渡して頂いた)のと、業務スーパーで買った切り餅祭り。
磯辺もち、納豆もち、あんころもち…旨いが、お腹がべらぼうに膨れて苦しむ。
七日には渋谷公会堂での新春ライブに行った。しかし、今一つ盛り上がれず。
歌も演奏も素晴らしかったのだが、お疲れモードで、半分以上座席に腰掛けたまま。
野音に行った時と同じ、新宿の沖縄そば やんばるで中身そばを啜り早々に撤収。

横浜天然温泉くさつ
次の日曜日、靴を履いたらなんか細くてきつい。
祝日という事もあり、初風呂リベンジ!相方自宅近くの銭湯へ。
体を洗ってジェットバスで疲れを取り、岩風呂にゆっくり浸かる。
町の銭湯は湯温が高いのが普通であるが、ここはぬるめの湯が備えられていて、
長風呂が楽しめる。全身ホカホカで温まった後、コーヒー牛乳をグビリ。
相方の自宅に戻り、靴を見る。サイズが違う…母に電話して、自分の靴を
出していたと思い込んでいたが、実際は出しておらず、玄関に置かれていた
サイズの小さい母の靴を履いて来てしまった…とまあ、割と平凡な正月であった。
「成ちゃんは『俺はとっくに止めたよ』とか言いながら、葉巻を吸ってるし」
「カッコ良いよね」
「ダンディー倍増!」
浩次は冷めた茶を飲み干し、ポケットから煙草を取り出し火を付けた。
「十年位前までは、成ちゃんだけしか結婚してなかったのに…」
「成ちゃんの子供なんか大きいよね、もうすぐ高校生で、
トミの子供はヤンチャ盛り、俺の子供はまだまだ小さいけれど…」
「ふうん…」
「浩次のご予定は?」
「ないよ!アルバム発売前にラジオの生放送に出て、女のDJに失礼な事を
言われて…俺も子供みたいな態度だったかも知れないけど、女不信なんだ」
浩次は眉間にシワを寄せて今の心境を伝えると、
吸い終えた煙草を灰皿に押し付けると、今度は敏行に尋ねた。
「石くん…どうして二度も離婚してるのに、三度目の結婚をしたの?」
敏行は腕を組み、目を閉じて少し考えた後話し始めた。
「三度目の正直って訳じゃないけれど、両親は高齢で二度も結婚に失敗した
俺の事を心配してただろう、両親を安心させたかった…からかな」
質問に応じた敏行は、煙草をもう一本抜き取った。
浩次は少し寂しそうな表情で、急須から渋くなった茶を注ぎ入れ、
彼の顔を見た敏行は、ナニか思い当たる節があるのか少し笑った。
「浩次」
「ん?」
「俺に捨てられたって思ってるでしょ?」
茶碗を置いた浩次の頬が一気に赤くなった。
しかし、スッと立ち上がると、敏行を睨み付けた。
「…思ってないよ!」
叫んだ浩次は、自室とは別のドアを開け、激しい音を立てて閉めた。
取り残された敏行は煙草を吸いながら、煙を吐き出すと嘆息した。
(やれやれ、困った子だ…)
煙草の吸い殻を灰皿に押し付け、腕を組み暫く浩次の様子を伺う事にした。
寝室、ダブルベッドの上で浩次が啜り泣いていた。
(石くん…だって、俺を乱れさせるのは、いつも石くんじゃないか…結婚して
子供もいるのはめでたい事だけど…俺の所へ来る回数も減って…寂しいんだよ…)
浩次は涙を拭い鼻水をティッシュペーパーでかむと、
またベッドに横になり、沸き上がって来る涙でシーツを濡らした。
コンコン。
枕元の灯だけだった部屋が少し明るくなり、敏行が寝室に入って来た。
浩次はドアの静かなノックに気付かなかったのか、驚いて敏行を見た。
「な、なんだよ…」
「泣いてるの?」
「もう四十過ぎてんだから、涙腺も緩くなっちまうんだ…」
目を赤くした浩次の顔を見詰め、敏行は再び尋ねた。
「俺に…捨てられ…」
「…思ってないよ…」
先程とは違った涙声で、浩次は答えた。それを聞いた敏行は、
浩次の上半身を強く抱き締め、キスをした。敏行の煙草風味の
舌が侵入し、浩次の口の中を強姦する様に舐め回し、息も出来ない位に。
浩次の胸の鼓動が高鳴り、敏行の舌の動きに自然と応え、クチュクチュと
淫猥な音を立てた。やっと口を離すと、浩次の顔は紅潮し呼吸も乱れていた。
「俺に…」
言葉を途中で止め、敏行は浩次のシャツのボタンを外し、白い痩身の、
引き締まった筋肉質な上半身を露にし、浩次をベッドに静かにと倒すと、
黒髪から覗く耳をむしゃぶり、首筋、鎖骨、胸、腹、優しく舐めては赤い
痕跡を残し、その度に浩次の口からは甘い喘ぎが溢れた。下半身に手を遣ると、
熱さと硬さが感じられたので、ズボンのチャックを静かに
下ろして下着を剥ぎ取ると、涙を零した浩次自身が現れた。
敏行はそれを握り締め、先端部分をコチョコチョと弄んだ。
「…うあん…ふんっ…や…ああん…」
浩次は身をくねらせ、少々意地悪な攻撃に過剰反応を示した。
ヒクつく浩次自身に気付いた敏行は、手を離し口先で
チュウと先端を吸い上げると、一気に浩次自身を飲み込んだ。
「はあんっ!」
飴玉を転がす様に、或いは利き手で慰みを与えるかの様に。
浩次は激しく身を捩らせ、ベッドのシーツをギュッと握り締めた。
「…んんっ…イッ…う…」
浩次がその言葉を口にした途端、敏行は口を離した。
そして、企みを持った笑みを浮かべて浩次に言った。
「浩次、一人で遊んでみて」
「え?」
屹立していた浩次自身の充血した海面体は、急速に力を失ってしまった。
「一人遊び…俺はそれを見ていてあげる、要は視姦って事…」
「石くん、ここまでシておいて…」
「普段、浩次が一人で遊んでいる所を見たいな」
浩次は不満だったが、唾液で濡れた自分自身を握り締めた。
「…色々な想像をしてごらん…相手は誰でも…」
「…」
目を閉じ、色々な人間との色々なコトを思い出し、右手を動かし始める。
敏行は立ち上がると両手を腰に当て、ジッと浩次の姿を見詰めている。
(…見られてる…石くんに見られてる…こんな恥ずかしい…)
脳髄から導き出されるのは、目前にいる敏行とのあんなコトやこんなコト…。
右脳が激烈な雄叫びを上げて、浩次の下半身の海綿体へドクドクと
血液を注ぎ、動かす手が俊敏になり、浩次自身がメキメキと屹立し始めた。
「あ…あはあ…んんんっ…」
視姦している敏行の表情は変わらないが、汗が鼻の頭に浮かび始めた。
浩次はビクビクしている自身を休息させ、枕元の灯のある小さな
机から潤滑液を左手に溢れさせると、両足をM字に開き孔に
塗ると、指を一本、二本、三本…埋め込んで動かし始めた。
「あああ!」
自身も右手で擦り、浩次の目から再び涙が零れ落ちた。視姦されて
いる感覚が消え去ってしまう程、一人遊びにのめり込んで行った。
その様子を見ている敏行の呼吸が乱れ始めた。
心臓はドクリドクリと加速し始め、汗も顔全体から流れ落ちた。
Gパンと下着の中の自身が、何もしていないのに張り詰めている、
分厚いGパンの生地を破いてしまうかの勢いで。
腰に押し付けた手のひらは、汗で濡れてグシャグシャだった。
(…こんな…スケベ…過ぎ…)
視線はそのまま、浩次のあられもない姿を見詰めたまま。
「はあんっ!」
左脳の理性は打ち砕かれ、右脳が絶叫した。
(…犯す…)
敏行は息を飲むとTシャツを脱ぎ、腕時計を放り投げ、
Gパンのチャックを下ろし、下着と共に脱ぎ捨てた、
自宅で我が子をあやす良い父親の顔と共に。
「…いやあああん!」
涙声で叫び、浩次が絶頂に達しそうになったその時である。
両手の動きが強い力で止められ、般若顔で全裸の敏行が目の前にいた。
ギロリと睨み付けられて、浩次はビクリと怯えた。
「い…しく…ん?」
「…浩次…お前って本当に淫乱だ…アッチもコッチも手と指で遊ぶのか…。
そんなハレンチな様…見てみろ、ナニも触っちゃいないのに、こんなんだ」
敏行の股間は血管が浮かぶ程に屹立し、透明な液体が滴り落ちている。
「あ…」
「…責任…取ってもらおうか…」
浩次の両手を左右に広げてシーツに押し付け、両足を
しっかり広げると、敏行自身を彼の孔に滑り込ませた。
浩次は自分の指よりも太くて硬い、敏行自身の侵入に
悲鳴と快楽の混じった声を上げ、グッと身を反らした。
「んあああああ!」
潤滑に動く敏行自身は、きつい浩次の内部でますます硬くなる。
悲鳴から喘ぎに変わる浩次の声、普段は絶対に聞く事の出来ない
甘い歌声、性の本能に占拠された、涙で滲んだ愛苦しい表情。
それを独占しているのかと思うと、敏行の興奮は高まって行く。
「…ウウ…ウウウ…!」
歯を握り締め、奥の奥まで浩次の体を突き上げる。
ライブのステージ上でギターを弾く顔と今の顔は同じだった。
ギシギシとベッドが鳴る程の激しい動き、浩次と同様の白い肌に浮かぶ汗、
能面を外し、目をカッと見開いた歯を食いしばった顔、獣の様な叫び。
「ウアッー!」
「やあああああ…い…しく…うん!」
絶叫と共に、敏行の分身が浩次の体内に凄まじい勢いで注ぎ込まれた。
一瞬、時が止まった。荒い呼吸が二つの口から吐き出された。
「…やっぱ…好き…」
コトが終わった後、ポツリと浩次の気持ちが敏行へ伝えられた。
その言葉を聞いた敏行は、繋がったまま浩次の体を抱き締めて言った。
「大…好き」
二人は優しいキスを交わし、微睡んだ様に時は動き始めた。
浴室から先に出たのは敏行で、台所の冷蔵庫から
スポーツドリンクを、応接間から自分と浩次の煙草、灰皿、
寝室の床に転がっていた腕時計を取り、時間を確認した。
(まだ…大丈夫だ)
敏行はGパンから下着を抜き取り、身に付けると
スポーツドリンクを開け、半分程飲むとベッドに転がった。
浩次も浴室から出た様で、自分で作った曲の‘ハナウタ’を歌っている。
濡れた髪をタオルでゴシゴシと拭くと、寝室へ戻って来た。
「あ、ちょっともらって良い?」
敏行のスポーツドリンクの残りを指差した浩次が尋ねた。
「良いよ」
気楽な敏行の返事を待たず、浩次はスポーツドリンクの残りを飲み干した。
「ぷはーっ…えっと煙草は…」
「はい」
「ありがと」
煙草に火を付けた浩次は、ベッドに座り込んで煙を燻らせた。
「ねえ石くん、アレの量が増えてない?…俺、妊娠しちゃうかも」
「ハハ…そう?」
笑った敏行は冷蔵庫からアイスクリームを取り出し、寝室へ持って来た。
「はい」
煙草を吸い終えた浩次の両手にアイスクリームとスプーンを置いた。
「わっ、苺味だ!」
浩次はアイスクリームの蓋を開け、極上の笑みでパクついている。
そんな浩次の様子を眺めながら、敏行も煙草を燻らせていた。
アイスクリームを食べ終わった浩次の笑顔が、何よりのお礼だった。
「石くん…」
「何?」
頬を赤く染めた浩次が、照れ臭そうに言った。
「…もう一回…シよう…」
フウと溜め息を付いた敏行だったが、顔は優しかった。
「…困った子だ…」
「…今度は…意地悪なしだよ…」
「わかってる…」
下着を脱いで投げ捨てた敏行は、浩次の洗い立ての髪に
顔を埋め、厚い口元に指で触れると、そのままキスをした。
「…んふ…」
口を離して、唾液を糸状にして垂らした浩次が、
敏行の心を鷲掴みにする様な淫靡な笑みを
浮かべると、自然と彼の下半身も反応を始めた。
敏行は強く浩次の体を押し倒し、頬擦りをしながら浩次自身を目指す。
「…あ…石くん…H…だね…」
浩次もまた体の向きを変えると、目の前の敏行自身を飲み込んだ。
「…ン…わかってる…癖に…」
静まり返った寝室が、快楽の音と喘ぎで満たされるのも早かった。
【完】
「カッコ良いよね」
「ダンディー倍増!」
浩次は冷めた茶を飲み干し、ポケットから煙草を取り出し火を付けた。
「十年位前までは、成ちゃんだけしか結婚してなかったのに…」
「成ちゃんの子供なんか大きいよね、もうすぐ高校生で、
トミの子供はヤンチャ盛り、俺の子供はまだまだ小さいけれど…」
「ふうん…」
「浩次のご予定は?」
「ないよ!アルバム発売前にラジオの生放送に出て、女のDJに失礼な事を
言われて…俺も子供みたいな態度だったかも知れないけど、女不信なんだ」
浩次は眉間にシワを寄せて今の心境を伝えると、
吸い終えた煙草を灰皿に押し付けると、今度は敏行に尋ねた。
「石くん…どうして二度も離婚してるのに、三度目の結婚をしたの?」
敏行は腕を組み、目を閉じて少し考えた後話し始めた。
「三度目の正直って訳じゃないけれど、両親は高齢で二度も結婚に失敗した
俺の事を心配してただろう、両親を安心させたかった…からかな」
質問に応じた敏行は、煙草をもう一本抜き取った。
浩次は少し寂しそうな表情で、急須から渋くなった茶を注ぎ入れ、
彼の顔を見た敏行は、ナニか思い当たる節があるのか少し笑った。
「浩次」
「ん?」
「俺に捨てられたって思ってるでしょ?」
茶碗を置いた浩次の頬が一気に赤くなった。
しかし、スッと立ち上がると、敏行を睨み付けた。
「…思ってないよ!」
叫んだ浩次は、自室とは別のドアを開け、激しい音を立てて閉めた。
取り残された敏行は煙草を吸いながら、煙を吐き出すと嘆息した。
(やれやれ、困った子だ…)
煙草の吸い殻を灰皿に押し付け、腕を組み暫く浩次の様子を伺う事にした。
寝室、ダブルベッドの上で浩次が啜り泣いていた。
(石くん…だって、俺を乱れさせるのは、いつも石くんじゃないか…結婚して
子供もいるのはめでたい事だけど…俺の所へ来る回数も減って…寂しいんだよ…)
浩次は涙を拭い鼻水をティッシュペーパーでかむと、
またベッドに横になり、沸き上がって来る涙でシーツを濡らした。
コンコン。
枕元の灯だけだった部屋が少し明るくなり、敏行が寝室に入って来た。
浩次はドアの静かなノックに気付かなかったのか、驚いて敏行を見た。
「な、なんだよ…」
「泣いてるの?」
「もう四十過ぎてんだから、涙腺も緩くなっちまうんだ…」
目を赤くした浩次の顔を見詰め、敏行は再び尋ねた。
「俺に…捨てられ…」
「…思ってないよ…」
先程とは違った涙声で、浩次は答えた。それを聞いた敏行は、
浩次の上半身を強く抱き締め、キスをした。敏行の煙草風味の
舌が侵入し、浩次の口の中を強姦する様に舐め回し、息も出来ない位に。
浩次の胸の鼓動が高鳴り、敏行の舌の動きに自然と応え、クチュクチュと
淫猥な音を立てた。やっと口を離すと、浩次の顔は紅潮し呼吸も乱れていた。
「俺に…」
言葉を途中で止め、敏行は浩次のシャツのボタンを外し、白い痩身の、
引き締まった筋肉質な上半身を露にし、浩次をベッドに静かにと倒すと、
黒髪から覗く耳をむしゃぶり、首筋、鎖骨、胸、腹、優しく舐めては赤い
痕跡を残し、その度に浩次の口からは甘い喘ぎが溢れた。下半身に手を遣ると、
熱さと硬さが感じられたので、ズボンのチャックを静かに
下ろして下着を剥ぎ取ると、涙を零した浩次自身が現れた。
敏行はそれを握り締め、先端部分をコチョコチョと弄んだ。
「…うあん…ふんっ…や…ああん…」
浩次は身をくねらせ、少々意地悪な攻撃に過剰反応を示した。
ヒクつく浩次自身に気付いた敏行は、手を離し口先で
チュウと先端を吸い上げると、一気に浩次自身を飲み込んだ。
「はあんっ!」
飴玉を転がす様に、或いは利き手で慰みを与えるかの様に。
浩次は激しく身を捩らせ、ベッドのシーツをギュッと握り締めた。
「…んんっ…イッ…う…」
浩次がその言葉を口にした途端、敏行は口を離した。
そして、企みを持った笑みを浮かべて浩次に言った。
「浩次、一人で遊んでみて」
「え?」
屹立していた浩次自身の充血した海面体は、急速に力を失ってしまった。
「一人遊び…俺はそれを見ていてあげる、要は視姦って事…」
「石くん、ここまでシておいて…」
「普段、浩次が一人で遊んでいる所を見たいな」
浩次は不満だったが、唾液で濡れた自分自身を握り締めた。
「…色々な想像をしてごらん…相手は誰でも…」
「…」
目を閉じ、色々な人間との色々なコトを思い出し、右手を動かし始める。
敏行は立ち上がると両手を腰に当て、ジッと浩次の姿を見詰めている。
(…見られてる…石くんに見られてる…こんな恥ずかしい…)
脳髄から導き出されるのは、目前にいる敏行とのあんなコトやこんなコト…。
右脳が激烈な雄叫びを上げて、浩次の下半身の海綿体へドクドクと
血液を注ぎ、動かす手が俊敏になり、浩次自身がメキメキと屹立し始めた。
「あ…あはあ…んんんっ…」
視姦している敏行の表情は変わらないが、汗が鼻の頭に浮かび始めた。
浩次はビクビクしている自身を休息させ、枕元の灯のある小さな
机から潤滑液を左手に溢れさせると、両足をM字に開き孔に
塗ると、指を一本、二本、三本…埋め込んで動かし始めた。
「あああ!」
自身も右手で擦り、浩次の目から再び涙が零れ落ちた。視姦されて
いる感覚が消え去ってしまう程、一人遊びにのめり込んで行った。
その様子を見ている敏行の呼吸が乱れ始めた。
心臓はドクリドクリと加速し始め、汗も顔全体から流れ落ちた。
Gパンと下着の中の自身が、何もしていないのに張り詰めている、
分厚いGパンの生地を破いてしまうかの勢いで。
腰に押し付けた手のひらは、汗で濡れてグシャグシャだった。
(…こんな…スケベ…過ぎ…)
視線はそのまま、浩次のあられもない姿を見詰めたまま。
「はあんっ!」
左脳の理性は打ち砕かれ、右脳が絶叫した。
(…犯す…)
敏行は息を飲むとTシャツを脱ぎ、腕時計を放り投げ、
Gパンのチャックを下ろし、下着と共に脱ぎ捨てた、
自宅で我が子をあやす良い父親の顔と共に。
「…いやあああん!」
涙声で叫び、浩次が絶頂に達しそうになったその時である。
両手の動きが強い力で止められ、般若顔で全裸の敏行が目の前にいた。
ギロリと睨み付けられて、浩次はビクリと怯えた。
「い…しく…ん?」
「…浩次…お前って本当に淫乱だ…アッチもコッチも手と指で遊ぶのか…。
そんなハレンチな様…見てみろ、ナニも触っちゃいないのに、こんなんだ」
敏行の股間は血管が浮かぶ程に屹立し、透明な液体が滴り落ちている。
「あ…」
「…責任…取ってもらおうか…」
浩次の両手を左右に広げてシーツに押し付け、両足を
しっかり広げると、敏行自身を彼の孔に滑り込ませた。
浩次は自分の指よりも太くて硬い、敏行自身の侵入に
悲鳴と快楽の混じった声を上げ、グッと身を反らした。
「んあああああ!」
潤滑に動く敏行自身は、きつい浩次の内部でますます硬くなる。
悲鳴から喘ぎに変わる浩次の声、普段は絶対に聞く事の出来ない
甘い歌声、性の本能に占拠された、涙で滲んだ愛苦しい表情。
それを独占しているのかと思うと、敏行の興奮は高まって行く。
「…ウウ…ウウウ…!」
歯を握り締め、奥の奥まで浩次の体を突き上げる。
ライブのステージ上でギターを弾く顔と今の顔は同じだった。
ギシギシとベッドが鳴る程の激しい動き、浩次と同様の白い肌に浮かぶ汗、
能面を外し、目をカッと見開いた歯を食いしばった顔、獣の様な叫び。
「ウアッー!」
「やあああああ…い…しく…うん!」
絶叫と共に、敏行の分身が浩次の体内に凄まじい勢いで注ぎ込まれた。
一瞬、時が止まった。荒い呼吸が二つの口から吐き出された。
「…やっぱ…好き…」
コトが終わった後、ポツリと浩次の気持ちが敏行へ伝えられた。
その言葉を聞いた敏行は、繋がったまま浩次の体を抱き締めて言った。
「大…好き」
二人は優しいキスを交わし、微睡んだ様に時は動き始めた。
浴室から先に出たのは敏行で、台所の冷蔵庫から
スポーツドリンクを、応接間から自分と浩次の煙草、灰皿、
寝室の床に転がっていた腕時計を取り、時間を確認した。
(まだ…大丈夫だ)
敏行はGパンから下着を抜き取り、身に付けると
スポーツドリンクを開け、半分程飲むとベッドに転がった。
浩次も浴室から出た様で、自分で作った曲の‘ハナウタ’を歌っている。
濡れた髪をタオルでゴシゴシと拭くと、寝室へ戻って来た。
「あ、ちょっともらって良い?」
敏行のスポーツドリンクの残りを指差した浩次が尋ねた。
「良いよ」
気楽な敏行の返事を待たず、浩次はスポーツドリンクの残りを飲み干した。
「ぷはーっ…えっと煙草は…」
「はい」
「ありがと」
煙草に火を付けた浩次は、ベッドに座り込んで煙を燻らせた。
「ねえ石くん、アレの量が増えてない?…俺、妊娠しちゃうかも」
「ハハ…そう?」
笑った敏行は冷蔵庫からアイスクリームを取り出し、寝室へ持って来た。
「はい」
煙草を吸い終えた浩次の両手にアイスクリームとスプーンを置いた。
「わっ、苺味だ!」
浩次はアイスクリームの蓋を開け、極上の笑みでパクついている。
そんな浩次の様子を眺めながら、敏行も煙草を燻らせていた。
アイスクリームを食べ終わった浩次の笑顔が、何よりのお礼だった。
「石くん…」
「何?」
頬を赤く染めた浩次が、照れ臭そうに言った。
「…もう一回…シよう…」
フウと溜め息を付いた敏行だったが、顔は優しかった。
「…困った子だ…」
「…今度は…意地悪なしだよ…」
「わかってる…」
下着を脱いで投げ捨てた敏行は、浩次の洗い立ての髪に
顔を埋め、厚い口元に指で触れると、そのままキスをした。
「…んふ…」
口を離して、唾液を糸状にして垂らした浩次が、
敏行の心を鷲掴みにする様な淫靡な笑みを
浮かべると、自然と彼の下半身も反応を始めた。
敏行は強く浩次の体を押し倒し、頬擦りをしながら浩次自身を目指す。
「…あ…石くん…H…だね…」
浩次もまた体の向きを変えると、目の前の敏行自身を飲み込んだ。
「…ン…わかってる…癖に…」
静まり返った寝室が、快楽の音と喘ぎで満たされるのも早かった。
【完】


